「酒一滴 米一粒」

人間、一生涯食べる量は約50tだとか。
流通の発達で世界各地から様々な食材が運ばれてくる。
「こんなに食べるのか」と思うほど、百貨店売り場にはあらゆる料理・食材が売られている。
一方で食べ残しや、鮮度等の理由で廃棄など問題も多い。
洋風化で米の消費は減る一方。加えて減産指導で食糧自給率は恐ろしいくらいだ。
小学生のころおかずは一品、家族でつまみ合ったものだがひもじい思いはない。
大戦中の食料難は私の生まれる3年前までの話しだが、戦後も難儀だったろう。感謝感謝だ。
成人くらいまではよく腹を減らし、米を食いまくったので今だに大の「ご飯党」だ。

明治維新の後、時の政府が外国の医師を招き要人の「健康検査」をした。
司法卿「江藤新平」に「閣下は日頃何を食べてきたか」と問うた。
「若いころは貧極まり米はおろか稗粟の類い、野菜は根茎で十日に一度鰯の頭だけだ」
という飢餓寸前の生活を語った。
通訳はこれを恥じ翻訳に窮したと伝わる。
佐賀藩の下級藩士で維新の功労者、司法大臣が‥である。

「米粒残すと目がつぶれる」とよく叱られた。
「酒一滴 米一粒」
残さず呑み尽くせ。