瓶盞病(ちょうしさかずきのやまい)

「この値は高いですねぇ」
「どのくらい飲んでいますか」
「薬出しましょうか」
「はぁ…」
迂闊だった。
月一、月末の検診は心電図だけと思っていたが、採血もあった。
「知っておれば酒を減らしてきたのに…」
「一合/日にしてください」
血圧は追加の特効薬のお陰で、飲みながら低下させることに成功。
「薬を断り自助で」と言った。

飲んべい家系・業界育ちにとって、決心くらいで酒は止められないし、止めてもすぐタガが緩むに決まっている。
中性脂肪の害は知らないでおこう。酒の肴にしてしまうしタバコと同じ。病院を出ると決心を忘れると同じだ。
又指摘されるので次回までにデータが変わるよう一合紙パックにして、「一合/日」だけ減らしてみる。
計何個にするかは内緒だが、1升だと継ぎ足してしまうので、病気といえば病気。
その名も瓶盞病(へいさんびょう 命名者は中国文学者 青木正児)という。
一度かかったら最後、不治と観念するしかない。自分では止酒と誓っても悪友か善友が誘いもするし、誘われたくもある。切っても切れぬ腐れ縁という次第。