「止酒」の詩 楊 萬里(南宋)

酒を止めるに付き先づ契約を立て、堅く守りたいものと思ふ。

自分で契約して自分で守るのだから、きっと守れるとは請合はれない。

契約の言葉が出ないうちに、心はもう暗くなって楽しまぬ。

平生死ぬほど酒が好き、酒の為なら官職をも棄てよう。』

憶へば昔若かりし日、酒と忘年の交わりを結び、

酔へば草に寝ころび、落花を仮寝の茵(しとね)とし、

覚むれば月早や上がる、復た落花の前に飲んだものだ。

腹の底から禁酒するのではないが、まあ其れは今は言ふまい。』

酒ゆゑに屡々(しばしば)病気になったが、自業自得で天に関せず、

朝から復た苦痛、薬を飲んでもなほらない。

どうあっても大杯と絶交だと、絶交書もちゃんと書いたが、

どうしたことか酒が離れぬ、口説かれて先立つ涙。』

我と心と怨み合ひ、心が沈めば我も楽しめぬ。

どうしようか、まあ心の浮かれるやうに、大杯をもう一度呼んでやらう。

後日又病んだら、追い追いに相談して見よう。』

酒中趣 青木 正児 筑摩叢書

永く飲みたいから月一度病院で検査を受けている。今度は「中性脂肪が多い」と言われたが、投薬と引き換えに自助努力、飲量を減らしてみたが、逆に数値は上がっていた。

主治医と契約を破ってしまったが、量は加減したはずなのだ……。

「瓶盃病は不治の病」と自覚し、追い追いわたしも相談して見よう。