2010年3月例会 兵庫県・高御位山を登る
「込み下げる緊張感」兵庫県・高御位(たかみくら)山を登る
「播磨富士ともいい親しまれている高御位山。標高こそ304mだがスリルもあり、登り応えのある岩山だ。山頂からの展望がよく縦走も可能」。
とはこの山に登った経験がある客の話。ストックした計画だが、3月に照準を合わせ14日実施した。
男ども3名で加古川駅から「鹿島神社」行きのバスに乗り、「北池」下車。10:15
道路を渡り大鳥居をくぐって「北山鹿島神社」へ。白い岩肌をさらけ出す「高御位山」が近くになった。
「長尾登山口」10:45。「高御位山」が目の前。屏風のように聳え立つとはオーバーだが、迫力があり登りはいかにもキツそうである。
顎を上げてルートを探すと、道は岩稜の上を直線に伸び、蟻のようにへばりついた登山者が山頂を目指していく。
「あんなん登れるやろか…」。
不安そうなつぶやき。
取り付いて数分で低い木々の間を抜ける。視界が広がり見通しがよくなったが、体重を意識するキビシイ上りが続く。
「はあ、はあ、はあ…」
他人に聞かれたくない荒い呼吸。3月中旬というのに額に汗が滲む。日陰が全くないので、夏なら干からびてしまう。3月にした訳はここだ。
登り始めの20分が最もキツイ。それを越えると身体が慣れるのか、ペースもついて来るのでそれまでの辛抱だ。
鉄塔の下で最初の休憩。家島諸島か?、遠く春霞(黄砂?)の瀬戸内海に小島が浮かんでいる。
岩稜には足場が無いように見えるが、削り取ったような穴がある。それを辿ってリズムを付けるとグングンと標高が稼げ、意外に早く山頂に到着する。12:20
360度の景観。加古川、姫路の街に淡路島。明石大橋の橋脚や六甲山の眺めを楽しんで昼食とした。
最近弁当は女性用を選ぶ。身が軽く思えるし、なにしろ終わった後の一杯が旨い。
しかしこの日、おにぎり一個を「残すのはもったいない」と、口に入れたのが悪かった…。
食後は山頂を下り、半円状に縦走し「鹿島山」、「鷹の巣山」を越え、ゴールの「鹿島神社」に向かう。
鹿島山は三角帽のように尖って印象的だ。が、登りを思うと下りたくなくなる。
多数のパーティが登ってくるので、逆コースを行くのに気付く。ガイドブックに従っているのだが、どちらがいいのか。
登ってくる連中に道を譲っては一休み。それを繰り返すうち腹の調子が…。
「雉撃ち」(注※)を催した。
「よそごと」で気晴らし出来る間はよかった。産気づいたように?短い周期で込み上げ(下げ)てくると「危険信号」だ。
左右は狭く崖状でトイレなどどこにもありそうもない。ほとんど露天で身を隠せない。あからさまな自分の姿を想像すると情けない。
イラつくし、こうなると山を呪うようになる。
すでに見晴らしは眼中になく、場所を探しながら歩くので遅れてくる。
「ナムサン…」早急な下山を思うばかりだが、ゴールが離れていくようにも見え最悪。
我慢に我慢を重ね、やっと鷹の巣山264mを越えると最後の下り。だが滑り落ちそうな急な岩場が待っている。
「あった!!!!!あ」
下り降りたところに展望台。幸ウンにも一段下にトイレらしき建物。
岩場は下りのほうが難儀だ。しかしその緊張感のせいで、「込み下げ」を忘れた。
ゴールの鹿島神社はベン学の神さまである13:45。所要時間3:30。おにぎり一個に祟られた苦々しい山旅だった。
注※ 雉撃ち=トイレ (山屋の隠語)
参加者:東山 二郎 浜本 弘昭 小出 登
立ち寄り温泉:加古川 「千代の湯」。
反省会場:第一会場 加古川駅前 「?」、第二会場 明石駅前 「?」 店名が思い出せない。